データ探しは、ピンポイントで絞りすぎるな

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過去の気象データ、天気・季節予報 エネルギー関連企業は気象データをよく使うという。気象庁のHPは、過去何年も遡って、気温やアメダスのポイントなどを時刻別で簡単にダウンロードできる。民間各社のデータも充実(画像提供=ウェザーニューズ社)。

公開データもさまざまですが、わが社は気象データやエネルギーデータをよく使います。たとえば気象庁が公表している過去の気象データは使い勝手がいい。アメダスのポイントごとに気温データなどを時系列で簡単にダウンロード可能。私たちは有償の予測データなども併せて用い、自社で気象データセンターをつくって分析に使っています。

一般企業なら各種経済データも有用でしょう。データの分析で追求する事柄は、区分ごとの実態と時系列の変化の2つですが、前者なら市町村別の経済活動の実態がわかる工業統計や事業所統計が有用。後者でいえば景気動向指数や鉱工業生産・出荷・在庫指数。このあたりは証券や金融業界で普通に使われています。

使える公開データは、公的なものに限りません。私たちはガス漏れ対応などのために、何十台もの緊急車両を所有していますが、その配置場所は、これまでは現場の勘と経験にもとづいて決めていました。車両をさらに効果的に配置するには、渋滞情報の分析が必要です。しかし従来は、財団法人道路交通情報通信システムセンターが提供するVICSのデータしかなく、高速道路や幹線道路の渋滞情報しか得られませんでした。

もっときめ細かいデータを探していたときに出合ったのが、ホンダさんが提供するインターナビFCD統計データ。カーナビ会員の走行データを統計処理したもので、会員の走行データそのものではありません。

が、道路区間の所要時間を分析に反映でき、より現実に近いシミュレーションが可能になりました。分析結果を示したところ、現場のおじさんたちも「たしかにこんな感じや」と納得。今はすべての車両配置に使っています。