稼がない女性に「1000万円以上」を求める傾向
年収の話に戻ろう。やはり男性は容姿や性格が同じようであれば年収が高ければ高いほど結婚しやすいのか。次に登場するのは、男性会員を4年制大学卒業以上に限った「クラブオーツー」や医師および歯科医師に限定した「フェリーチェ」といった結婚情報サービスを展開するプライムマリッジ。全員の平均年収はパートナーエージェントを100万円以上も上回る。会員数は5000人を超え、年間1700人が入会する。退会する人の3割は成婚が理由という。
話を聞く前に言いたいことがある。年収と結婚の関係を調べている筆者も下品だが、学歴や職業で会員を絞り込むなんて嫌みすぎるのではないか……。
「マンパワーの問題です。いまの私たちには大手のようにすべての方にサービスを提供する力がありません。地域も首都圏と関西圏に限っています。ハイステータスな方との出会いを期待して来られる女性もいますが、年収だけでは決してご紹介しません」
落ち着いた様子でそつのない回答をしてくれるのは現場トップの宍戸真弓氏。10年以上にわたって、多くの成婚者を見届けてきた。宍戸氏によれば、大切なのは一にも二にも「バランス」とのこと。
「普通の会社員では年収3000万円はありませんよね。弁護士や自営業の方がほとんどです。そんなに年収が高くなくてもいいので、堅実な会社員と結婚したいという女性は多くいらっしゃいます」
クラブオーツーでは女性会員も8割が4年制大学の卒業生。セレブ妻ではなく、共働きでしっかりとした家庭を築きたいと希望する人が多いのだ。
「自分が稼いでいない20代の女性に限って、相手に1000万以上を求める。キャリアを積んでいる女性はもっと現実的ですよ」
宍戸氏よりもぶっちゃけ口調で語ってくれるのはプライムマリッジ取締役の浅井信行氏だ。一方の男性は、「安定した仕事についていて自信のある男性はコンプレックスがない」(浅井氏)ためか、女性の年収が自分より上でも下でも気にしない会員が多いという。
この傾向は若い世代の男性に特に強い。大学でも職場でも優秀な女性たちと肩を並べて切磋琢磨してきたため、自分と近いキャリア意識を持って働ける女性を自然と求めているのだろう。