医学部は私立中高一貫校の独壇場

ランキングに戻ろう。茨木は合格者が3人増の57人で昨年に続き2位だった。同校も進学指導特色校であり、今春は京大が7人増えて20人、北海道大が5人増で7人など難関大の合格実績を伸ばしている高校だ。3位は奈良が11人増の52人で昨年の6位から順位を上げた。奈良の公立トップ校である同校は、毎年、近畿地区の難関国立大に多くの合格者を輩出している。4位の大手前も合格者が7人増の51人で、昨年の5位から順位を一つ上げた。

対照的に5位は合格者が4人減で47人となり昨年の3位から順位を下げた天王寺。北野と並ぶ府立トップ校だが、京大が56人から47人に減るなど、進学指導特色校の指定校ながら難関大合格実績が下がった。塾関係者はこう話す。

「文理学科は学区がなく全府から募集可能なので、優秀な生徒が北野に集中した可能性も考えられます。文理学科は各校で特色ある教育を展開しており、長期的な視点で合格実績を見るべきです」

ランキング6位の神戸は14人増の46人となって14位から順位を上げ、7位は2人増で43人の三国丘だった。ここまで見てきた高校は全て公立校だ。公立優位な中、8位は合格者が42人(8人増)の洛南。同校は京大合格者数ランキングのトップを続けており、大阪大の受験者が少ないことが上位に来ない要因と見られる。9位は豊中で昨年の15位から上がった。同じく10位の生野も昨年の20位からアップ。両校ともに進学指導特色校に指定された効果が出ているようだ。

合格実績を伸ばす進学指導特色校だが、医学部(医学科)ランキングでは天王寺が3人で6位、三国丘が2人で9位と、ベスト10に入った大阪の府立校は2校のみだった。1位の甲陽学院は全合格者26人の半数にあたる13人が合格している。2位は合格者9人の洛南、3位は大阪星光学院と灘でともに6人が合格。5位は東大寺学園で5人が合格した。6位も洛星と四天王寺が入った。大阪大の医学科ランキングも多くの旧帝大と同様に私立の中高一貫校の独壇場だった。

(浮田輝雄=撮影)
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