子ども版「10か条」を作成しよう!

COML理事長の山口育子氏は「子どもの頃からの教育が欠かせない」と感じるようになりました。そこで、未来の賢い患者につなげるよう、小冊子“子どもの『いのちとからだの10か条』”を作成しようという計画がスタートしました。10か条の中味については、医療関係者だけでなく、同じような問題意識を持った人たちが集まり、喧々諤々の議論を重ねました。筆者もその議論に加わり、子ども版の10か条が生まれる過程を共有するという僥倖に恵まれました。

子どものころから、いのちやからだに関心を寄せてほしい。そして、医療を受けるときは自分が主役なんだと自覚して、積極的に医療参加してほしい。小学生になれば、自覚症状を伝えるのは自分自身なんだよ。そのうえで、自分のいのちも他人のいのちも同じように大切にし、障がいがあっても“個性”と受け止めて温かく互いを認め合える人になってほしい――そういうメンバーの熱い想いを込めてまとめたのが次の10か条です。

(1)いのちとからだはあなたのもの
(2)食事(しょくじ)・すいみん・手洗(てあら)い―予防(よぼう)が大事(だいじ)
(3)からだの変化(へんか)に気(き)づこうね
(4)お医者(いしゃ)さんには自分(じぶん)で症状(しょうじょう)を伝(つた)えよう
(5)わからないことはわかるまで聞(き)いてみよう
(6)自分(じぶん)がどうしたいかを伝(つた)えよう
(7)治療(ちりょう)を受(う)けるときはあなたが主人公(しゅじんこう)
(8)お薬(くすり)は約束(やくそく)守(まも)って使(つか)おうね
(9)みんな違(ちが)いがあって当(あ)たり前(まえ)
(10)だれのいのちもとっても大切(たいせつ)

さまざまな立場の人が知恵を出し合って作り上げた10か条は、患者という枠組みを超えて、コミュニケーション能力を育むドリルの役割を果たしてくれそるのではと期待しています。

COMLでは、完成後すぐに販売するのではなく、まずこの10か条を多くの方に知っていただく普及キャンペーンが必要と考え、希望者に無料配布しようと考えています。冊数は4万冊を想定。しかしそのためには小冊子のデザイン費や印刷費、送料、封筒などの消耗品費、人件費など約600万円が必要になります。そこで、より多くの方に関心を持ってもらうとともに、協働して小冊子を作成しようと、5月から半年間かけて600万円を目標にファンドレイジング(寄附を募ること)に取り組んでいます。

ご興味のある方は、是非COMLのサイトを覗いてみてください。未来の賢い患者につなげる活動に、一緒に参加しませんか。

内藤眞弓(ないとう・まゆみ)
ファイナンシャルプランナー(FP)。1956年香川県高松市生まれ。1979年日本女子大学英文学科卒業。大手生命保険会社に13年間勤務後、FPとして独立。現在、特定の金融機関に属さない独立系FP集団「生活設計塾クルー」のメンバーとして、一人ひとりの事情や考え方に即した生活設計、保険の見直し、資産運用などの相談業務を行う。『医療保険は入ってはいけない!』など著書多数。
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