隣にコンビニができ騒音問題の発生も
さらに、住居専用地域であっても商業施設をつくることはできる。第二種低層なら150平方メートル、第一種中高層なら500平方メートル、第二種中高層になると1500平方メートルまでの店舗を建てられるのだ。気が付いたらお隣さんが24時間営業のコンビニエンスストアになって、夜中の車の出入りの音に悩まされ、不眠症になることだって十分にありえる。これが第二種住居地域になると、ホテル、パチンコ屋、カラオケボックスまで建てることができる。
重要事項説明書のなかで、家の前の細い道路が「計画道路」として「計画決定」になっていた場合も要注意。いつ建設事業が始まるか決まっていないものの、将来道幅が広がって幹線道路になる可能性があるからだ。それが現実の話になると、住居専用地域から商業地域へ用途地域の変更がなされ、住環境が一変することも考えられる。ただし、このケースでは土地の資産価値がアップする可能性が高く、それをメリットとして考えるかどうかは当人次第である。
用途地域とは別に「風致地区」に指定されている場合には、自分の思っていた家を建てられない恐れがでてくる。この風致地区は良好な自然景観を維持するために設けられたもので、建ぺい率が低く抑えられたり、建物の形態や意匠が周囲の風致と調和がとれているように要求される。ちなみに東京都では、石神井、大泉など26カ所、合計約3572ヘクタールを風致地区として指定している。
土地を選ぶ際に買い主は、そこにどのような家を建てられるかにどうしても目が向いてしまいがちになる。しかし、周囲に何が建つ可能性があるのかにも十分気を配って、土地を選んでいくことが大切なのだ。
東京での営業でトップセールスを続け、いまは九州の地方都市の営業所を任せられている。買い主にベストの物件を紹介するのがモットー。