税率アップも怖くない!

また、税金面での優位性という意味で中古物件はメリットが大きい。過日4月1日より消費税が8%にアップしたことで、今年の3月末日までに住宅購入から引渡しができる新築物件を検討した人も少なくないだろう。ここで確認したいのは、消費税の課税対象は何か?ということだ。実は、一般的に会社員などが所有している個人の住宅については消費税の課税対象に該当しない。これは不動産業者が仲介に入っている場合でも物件の売主が個人名義であれば同様である。よって中古物件については今後もアップしていく可能性のある消費増税の問題に拘束されずに検討できる。

また、相続税という観点でも消費税と同様にメリットを享受できる。不動産を相続する場合は実際の売買取引時価(実勢価格)より6~8割程度低い路線価(土地)や固定資産税評価額(建物)で相続税評価額が決まるため、金融資産を相続するよりも節税できる可能性が高いのだ。

成功の秘訣は、マーケティングと顧客満足度

勿論、リノベーションの中古物件を投資対象とした際のリスクも考慮しなければいけない。まずは、リノベーションそのものに掛かる費用だ。前記の通り、リノベーションは大規模な工事を必要とするため、場合によっては数百万程度の工事費用が掛かる場合がある。また、せっかくリノベーションを施しても、物件の立地条件が悪ければ賃貸物件を探している人たちの検討対象に挙がってこない可能性もある。

今やインターネットでさまざまな情報を簡単に手に入れることができる時代だが、初めて不動産投資をおこなってみたいと思う方たちにとっては不安が大きく、それ故に、安心して相談できるパートナー探しこそが重要なポイントとなってくる。

小社より発行・発売している『「リノベーション」式 不動産投資の超バイブル』の著者でもある、都内の1R中古マンションを中心にリノベーション物件を専門に扱う「REISM(リズム)株式会社」の巻口専務取締役に話を聞いてみた。(巻口氏は国内不動産会社を経て、コンサルタント企業に勤務、その後MBAの資格を取得し、2005年に中古不動産事業を手がけるREISM株式会社の設立に取締役CFOとして参画。2010年より同社専務取締役に就任している)

「当社は、主に都内のさまざまな物件データを蓄積しており、そのデータから見えてくる傾向を分析し、マーケティングをしっかりおこなっていくことで、ご要望に応じた最適なご提案をすることが可能です。投資を考えるタイミングとしては、景気高揚や東京オリンピック開催などで日本の不動産への期待感が膨らんでいる、ここ数年が適していると考えています。さらに、不動産投資では“入居者の満足度をいかに高めるか”という点も重要ですので、マーケティングとリノベーションは投資の両輪と考えるべきです。その両輪をしっかり廻し、稼働率を高めることによって、結果的に成功する不動産投資になっていきます」

REISM(リズム)株式会社のリノベーション実例

この春、ベースアップで給料が上がったという人も多いだろう。しかし、今後、物価が上がる可能性や、消費税がさらにアップすることを鑑みれば、資産の運用も考え直す必要が出てくる。これを期に、リノベーション物件への不動産投資を選択肢の一つに入れてみてはいかがだろうか。モノが溢れているといわれる今、「故きを温ねて新しきを知る」ことが大切なことなのかもしれない。

(文=永浦 公人)