【leverage point】壁際に収納をまとめ、柱や梁を隠す

そうしてリフォームを任された森岡さんが、「リビングを明るく」「夫婦並んで使える快適な書斎が欲しい」などの夫妻の希望をかたちにすべくリフォーム設計をし、工務店に工事を発注して施工を監理(図面通りに工事がなされているかを現場でチェックする)、壁際に収納をまとめてすっきりと明るくなった新しいK邸ができあがりました。

工事途中、湿気を含んだ壁が発見されるというハプニングがあり、窓枠の隙間から雨が染み込んでいるのでは、と森岡さんはすぐに工事をストップ。設計を一部変更して防御策をとりました。「素人にはできない判断で、専門家に間に立ってもらった大きな効果」とKさん。

また工事中は朝夕現場を眺めに行き、気になったことはすべて森岡さんに相談したというKさん。森岡さんから工務店の社長、各職人さんへと伝達され、希望がほとんど叶ったと満足しているそう。

明るく開放的になった住まいで、南側の書斎に並んでパソコンを使う夫妻。300万の予算ならK邸のようにメインの空間だけ、生活スタイルに合わせリフォームするのもおすすめです。


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リビングダイニング。正面右手が書斎コーナー。この空間には正面の東窓しかないので、右手、南からの自然光を遮らないことが肝心。また、リフォームで東の壁に沿って収納を造り付け、柱や梁を隠した。

2/リビングからダイニング、書斎コーナーに向かって。書斎コーナーの隣は寝室で、入り口を障子にして寝室からの光をこちらの空間へ透かしている。

3/寝室からダイニング、リビングを見る。リフォーム前は入り口がドアだったため、こちら南側からの光が遮られていた。

4/この住まいで一番よい場所ともいえる南側に生み出された夫婦の書斎コーナー。「いずれ家を建てるか、マンションリフォームをする日がくるだろうと雑誌や展示場を眺め、そこそこの知識はあったつもりだった」というKさん。いざ実行となって、手がかりも信頼できる相手を見分ける自信もないことに気づいたのだとか。建物全体の修繕を手がけていた森岡さんに出会え、リフォームが成功した。

(間取り図作成=長岡伸行)