人間は何かに強く興味を持つと、フォワード・ポスチャー(=前傾姿勢)を取る。いわゆる「身を乗り出している」状態だ。もしも、商談の相手がこうした姿勢を取ったら、それは「興味津々」のサインだと受け取っていい。
反対に、人間は興味を失った瞬間にバックワード・ポスチャー(=後傾姿勢)を取る。相手がこの姿勢を取ったら、「興味なし」のサイン。ただし、後傾姿勢には「余裕」の意味もあるから、相手は「今日はこのぐらいにして、次回にもう少し詰めよう」などと思っているだけなのかもしれない。この場合は、交渉を打ち切ってしまうのは早計ということになるだろう。
後傾姿勢というと、背もたれにどっぷりともたれ掛かるような姿勢を思い浮かべるかもしれない。しかし、実際の後傾姿勢は、ほんの一瞬のほんの小さな肩の動きや、ほんの小さな肩の反りである。前傾姿勢もしかりだ。要するに、いずれも「微動作」なのであり、キャッチするのはなかなか難しい。
もしもあなたが意中の人に結婚を申し込んだとき、彼女の細い肩が一瞬かすかに後ろに反ったら、彼女の答えは「ノー」かもしれない。ただし、そのサインを正確にキャッチできる男性は極めて少ない。なぜなら、人間はマイナスのサインほど知覚したがらない生き物だからである。
【買う気あり】体の向きと足の位置が一致。前傾姿勢、身を乗り出す。
【買う気なし】体の向きと足の位置が不一致。後傾姿勢、後ろにのけぞる。