それゆえに、浮いている人はアンバランスだ。

1つ抜きん出た能力がある代わりに、弱点もたくさん抱えている。他の部分は、平均点以下という場合も多いだろう。

そのアンバランスさが、時に周りと齟齬を生むことがあるかもしれない。浮いている人が、一見とっつきづらそうで、付き合いづらそうに見えるのはそのせいだ。

しかし、これからの時代、求められるのは一点突破型の人材なのではないかと私は思う。

ある程度平均点以上をとれるだけの人は、物があふれた時代に付加価値を出すことはできない。

これまでは、ミスをせず、与えられた仕事をこなす人材が求められていた。大量生産、大量消費の構図で売上が上がった時代は、それでよかったのだ。

でもいまは違う。みんなに物が行き届き、それなりに高機能なだけのものは、売れなくなった。

その代わり必要とされているのは、熱烈にファンを生むようなとがった商品、サービスを考えられる人だ。

周りに合わせず、独自の行動をとる「浮いている」人こそ、これからの社会で付加価値を生み出すことができる人材になり得るはずだ。

※本連載は『おれが浮いてるわけがない。』(五十棲剛史 著)からの抜粋です。

関連記事
なぜ企画書ナシでも案件が受注できるのか?
創造力ある変人社員を120%生かすには
人事部が激白!リストラされる人、されない人の分かれ道
「半沢直樹」は不可解な人事? 会社の狙いをどう読むか
権力を握りたい人は、若いときにどう下地づくりをすべきか