普段の悦子氏は毎朝4時起き。子供の世話と、責任ある仕事の両立は考えただけでも大変そうだ。そう言うと、悦子氏は笑ってこう答えた。

柳井正氏と佐藤可士和氏。経営トップから厚い信頼を得る佐藤氏の手法は「徹底した対話」である。(Getty Images=写真)

「『忙しそうですね』と言われると、私もまだまだだな、と思います。忙しそうに見えるのは、他人を受け入れる余裕がないということでもありますから」

悦子氏が化粧品会社に勤務しているとき、忙しいはずの女性トップがまったくバタバタしていなかった。以来、「ゆっくりしているほうがきれい」と確信。仕事のやり方を工夫し、万一に備え余白を設けるようになった。

悦子氏のスケジュール管理法は、デジタルと紙の2本立て。長期の予定は見開き2週間の手帳に書き込む。変更が多い短期の予定はネットで管理する。その日にすべきことは、「メール」「電話」「請求書」「契約書」など項目ごとにA4の裏紙を使ってすべて書き出していく。

「忘れてはいけないことは紙に書くのが1番。こうすると作業の量が目で見てすぐわかります」(悦子氏)

1件片付けるたびに赤線を引いて消し、1日の終わりに、その紙を破いて捨てる。

「紙を破いて捨てることで、すごくスッキリする」(悦子氏)

実は悦子氏は「メモ魔」でもある。誰にどんな手土産を渡したか、誰とどこで会食をしたかなど、すべて手帳の備忘録に記録する。2回目以降にダブらないようにするためだ。

効率的に時間を管理すれば、空き時間でジムに行ったり、近所の公園で早朝ウオーキングをすることもできる。可士和氏は「サムライは小さな会社です。僕や悦子が倒れるわけにいかない。ですから、運動をして、体を鍛えるのも仕事のうち。それに、メンタルにもとてもいいリフレッシュになります」と言う。

「昔は僕もジム通いが続かなかった。続けるコツは、パーソナルトレーナーを予約すること。そうなるとその人と会う約束を守るために、行かざるをえない」