金本位制から負債本位制へ
ニクソン大統領が金本位制をやめた理由のひとつに、日本企業がアメリカに膨大な量の製品を輸出したことで、アメリカの国際収支が悪くなったことがあります。トヨタ、日産、ソニーなどの商品が大量にアメリカに輸出されたためドルが流出してしまい、金とドルとの交換に応じられない状況になったのです。
金本位制停止後、アメリカ政府はドル紙幣をどんどん印刷しました。これで、世界の経済の仕組みはガラッと変わりました。私はこの変化を「金本位制から負債本位制へ」と呼んでいます。つまり、お金をめぐる環境が「金(きん)=お金」から「負債=お金」に変わったということです。これ以降、アメリカ国民はクレジットやローンを組んで次々にほしいものを買うようになりました。多くの人が負債を抱えても買い物をする習慣が身についてしまったのです。
一方、ドルが大量に流入した日本では、銀行が融資を増やし続けてバブル化が起きました。狭い区域の土地がカリフォルニア1州の土地と同じというくらいに地価が高騰しました。そして、90年にはバブル経済が崩壊し、世界で最も裕福だった日本は、20年後の今では最も大きな負債を抱える国になりました。GDPの200%を超える負債を抱える大借金国です。
私は金持ち父さんから、このような「負債=お金」という環境を使って資産を増やすトレーニングを受けました。それが、金持ち父さんが金持ちになった秘訣でした。
その1つの方法として、不動産を生かす方法を学ぶため学校に通い始めました。最初は3日間で385ドルのコース。そのときの宿題が、10日間で100件の物件を見ることでした。私は100件の物件を見て、実際に住んでいる方々に多くの質問をして不動産物件の勉強をしました。このような勉強を積み重ねたあと、生まれて初めて1万8000ドルの物件を買いました。それ以降、金持ち父さんの教えの通りに、数え切れないほどの物件を購入してきました。