「災害から逃げないタワー。」に込められたこと

言いたいことは分かる。「あなたの想いとこの国の災害にきちんと向き合い、真剣に日々の安心安全について考えました」と続くことからも「逃げない」の意味するところは明らかだが、それにしてももうちょっと誤解のない表現にできなかったのか。ぼくが知る限りもっとも味わい深い防災ポエムである。

もうひとつ、マンションではなく1戸建て分譲住宅の広告なのだが、防災に関して衝撃を受けた表現があったので紹介したい。「街並みに、様式という美景。暮らしに、スタイルという美学。」と謳う東急不動産の「ブランズガーデン あすみが丘東」(2002年販売開始)。房総半島の中央部、最寄り駅が土気駅となる立地は「海抜80メートル」を売りにしている。物件の場所を示す地図を見ると、関東平野がブルーに塗られ「海面が60m上昇した場合の海岸線予想図」とキャプションが付いている。温暖化の影響にしてもすさまじい。縄文海進の時代より遥かに水面が高い。

もちろん東京都心部は全て水没。こうなったらおそらく日本は終わりなので、自宅が水没するかどうかはさして問題ではないのではないか。「タワーマンションの上層階は水没しません」と言っているようなものだ。小松左京を読んだほうがいい。