ZEV規制は“骨抜き”に

1990年秋に、カリフォルニア州が定めたZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル=排ガスゼロ車)規制も、同様の圧力によって“骨抜き”にされていく。ZEV規制は大手メーカーに対し、販売量の一定以上をEV(電気自動車)など排ガスを一切出さないクルマにせよ、という規制。当局と業界との綱引きが演じられ一度は無力化していくが、90年のZEV規制により世界の大手自動車が、電動化へと動くきっかけとなった。

もっとも、現在EVのキャスティングボートを握るのは、90年当時に動き始めた日産やフォルクスワーゲンといった内燃機関を持つ大手ではなく、テスラや中国BYDといった内燃機関を持たない新興企業である。新興企業は、内燃機関を守る必要がない。