南シナ海を強引に制して味を占めた
純粋な養殖場であるならば、これほどの防衛体制を敷く理由は何か。タイムズ紙は、既成事実を重ねて黄海全体を「グレーゾーン」化し、領有権の主張を広げる戦術であるとみる。
中国はかつて、南シナ海で展開した「サラミ・スライシング戦略」で成功を収めた。サラミを薄く切って肉を削いでゆくように、表立っては抗議しにくいほどの小さな既成事実を積み重ね、相手が気づいた頃にはすでに全体を支配している戦術だ。海洋分析組織シーライトのパウエル氏は、テレグラフ紙に対し、黄海でもまったく同じ戦術が進行しているとの見方を示す。
実際、その経過を振り返れば、手法の巧妙さが際立つ。英フィナンシャル・タイムズ紙によれば、中国は2018年に比較的小型の養殖ケージ「深藍1号」を設置し、第一歩とした。その後、2022年10月に巨大プラットフォームを中核的な管理施設として配備。さらに、2024年にはより大型のケージ「深藍2号」を設けてさらに拡張した。一つ一つの行為は養殖場の建設や拡張に見えるが、全体として見れば、係争海域を実効支配するため計画的な動きが見えてくる。
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