南シナ海を強引に制して味を占めた

純粋な養殖場であるならば、これほどの防衛体制を敷く理由は何か。タイムズ紙は、既成事実を重ねて黄海全体を「グレーゾーン」化し、領有権の主張を広げる戦術であるとみる。

中国はかつて、南シナ海で展開した「サラミ・スライシング戦略」で成功を収めた。サラミを薄く切って肉を削いでゆくように、表立っては抗議しにくいほどの小さな既成事実を積み重ね、相手が気づいた頃にはすでに全体を支配している戦術だ。海洋分析組織シーライトのパウエル氏は、テレグラフ紙に対し、黄海でもまったく同じ戦術が進行しているとの見方を示す。