「安心してください。これから日本は大復活を遂げます」伝説の在米投資コンサル・齋藤ジン氏はそう話す。いま世界で何が起きているのか。齋藤氏の独占インタビューをお届けする。

米在住の投資コンサルが日本復活を断言するワケ

私は投資コンサルタントとしてこの3、4年の間、世界中の投資家に対し日本が数十年に一度のチャンスを迎えると論じてきました。2023年になる頃には、海外投資家は耳を貸してくれるようになりましたが、日本で同じ話をしても、あまり相手にされませんでした。

さすがに昨年あたりから財務省や日本銀行も日本経済は大きな変革期にあると考えるようになりましたが、日本社会全体で見ると、変化を感じているのは少数派のように思えます。

日本の皆さんには、このチャンスを逃してほしくない、そんな老婆心から、『世界秩序が変わるとき』(文春新書)を刊行させていただきました。皆さんは塹壕戦を耐え忍ぶような「失われた30年」を体感し、人口動態の悪化などの悪いニュースを聞かされ続けたでしょうから、「日本は千載一遇のチャンス」と言われても、まさか、と思われるかもしれません。

世界で最も影響力のある伝説の在米投資コンサル 齋藤ジン
世界で最も影響力のある伝説の在米投資コンサル 齋藤ジン

私がそう論じてきたのは、「失われた30年」の背景が激変しているからです。そして一つのシステムが大きく変わるとき、勝者と敗者の入れ替え戦が始まります。誰にとっても変化は怖いものですが、塹壕に籠こもって消去法で生き抜く以外のチャンスがあまりない環境と、前向きのリスクをとって勝てるチャンスがある環境、どちらがいいですか?

例えば就職氷河期の新卒社会人と、今年の新卒社会人、後者の能力が圧倒的に優れているから就職が楽になったのではありません。雇用を取り巻く環境が変化したからであり、それはある意味、「天の時」の話です。同じように日本を取り巻く環境は激変していますが、私は日本に「天地人」が揃っており、チャンスを摑めると見ています。

今、多くの方の経済における関心事はトランプ関税の影響の行方でしょう。アメリカのトランプ大統領は意図的に、従来の自由貿易や新自由主義的な経済秩序を破壊するような言動を繰り返しています。「トランプが悪い」と言い続けても、変化の波は日本に及びますから、その変化の是非を論じるのはあまり生産的ではありません。

アメリカは戦後の日本を「勝てる席」に座らせた

大事なポイントは、目の前の変化が日本経済にとって追い風なのか、逆風なのか、それを見極めたうえで、対応策をとることです。その話をする前に、戦後の日本経済の繁栄を支えた世界経済システムの前提まで遡らせてください。

余談ですが、私はトランスジェンダーです。システムから拒絶されることもあれば、受け入れられることもあるので、システムの違いや前提について考える傾向が強いと思います。

戦後の日本経済の奇跡は、ある意味でアメリカによって「許された」ものでした。戦後まもなく東西冷戦が始まり、東アジアに強いパートナーを必要としていたアメリカは、日本を「勝てる席」に座らせたのです。これは「天の時」でした。そして中国が共産化していなければ、日本経済を復活させる理由はなかったので、これが「地の利」となりました。

日本は必要な資源、食料の輸入品以外に高い関税をかける一方、巨大なアメリカ市場に輸出攻勢をかけることを許されました。日本人の持ち前の勤勉さ、そして政官財が密接に協力し、限られた資源を勝てる分野に集中投下して効率的なシステムを築きましたが、それは「人の和」を活用したものです。