加齢による難聴を放置すると、会話が億劫になり、認知症のリスクも上がる。補聴器を使った画期的なトレーニング方法を、「生みの親」に詳しく聞いた。
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80代になると7~8割が難聴

今や65~74歳の2~3人に1人、80代では7~8割が難聴になるといわれています。その多くは加齢による変化です。平均寿命が延びたことで、難聴になる人の数は増加傾向にあります。高齢のご家族に、「人の声が聞き取りにくくなった」「話す声が大きくなった」などの症状があれば、難聴かもしれません。

加齢による難聴は、残念ながら治療で元通りにすることはできません。しかし、「聞き取りを諦める必要はまったくない」とお伝えしたい。なぜなら、補聴器を使うことで、今持っている「聞こえ」の力を最大限に引き出すことができるからです。私の外来には全国から患者さんが集まってきますが、補聴器を使ったトレーニングをすることで、これまで多くの方々の生活の質が改善しました。