赤字200億円以上を垂れ流していた相模原製作所に、大宮英明社長(取材時は社長、現会長)は、全く“畑違い”の人物を“送り込んで”黒字化させた。「三菱は国家なのだから、危ないわけはない」この意識を、大宮はどのように変えさせることができたのか。

「三菱は国家なり」

「説明するのは今日が初めてなんだよ。本邦初公開」

三菱重工業 代表取締役会長 
大宮英明 

1946年、長野県生まれ。都立日比谷高校卒。69年東京大学工学部航空工学科卒業後、三菱重工業入社。2001年産業機器本部副事業部長、03年取締役冷熱事業本部長、05年取締役常務執行役員、07年取締役副社長執行役員、08年取締役社長などを経て、13年4月より現職。

三菱重工業の大宮英明社長(現会長)は、2008年4月に社長に就任して以降、白さを増した髪の毛をかき分けながら、社長執務室に続く応接室に入ってきた。