――では本番中に集中力が切れたり、意識がとぶ、なんてことはないんですか。
【斎藤】ありますよ。次の動きはなんだっけ……とか。でも、考えた時点でアウトです。その瞬間に動きが遅れて、「あ~っ……」って。
【青山】頭が真っ白になるわよね。
【斎藤】音楽だけが進んでいく……。
――そういうときはどうするんですか。
【高橋】慌てない。冷静になることが大事です。
【権頭】僕もありました。最初は合っていると思ってやっていて、途中で「あっ」と。でも動揺するとそれが次につながってしまうので、失敗したこと自体をいったん忘れました。そしていつもと同じように動いて、舞台が終わってから「すみませんでした」と。
【南】ミスしたらいったん忘れる。これがリカバリーには大事です。
【権頭】そう。切り替えですね。
【青山】引きずらないことですね。人間ですから誰だって失敗はありますよ。でも彼らは1回間違えたら2度とは間違えない。そこも大事だと思うんです。私だってせりふを忘れたことや、忘れたことさえも気づかないでせりふをとばしたこともありますよ。でもそこは彼らがものすごく集中していて助けてくれる。
【南】何かあったときほどチームワークが冴えますね。
【青山】とはいえ、まずは自己責任。集中力が途切れないように日頃から万全の準備をしています。たとえば私の場合、絶対に睡眠時間を確保すること。8時間は寝ています。
【権頭】僕も7時間は寝てますね。
【青山】それから、開演の時間が決まっているので、それに合わせて朝起きてから何をやるか、順番を決めています。何時に朝食、何時に家を出るとか。違うことはしません。
【南】しない、しない。
【斎藤】僕も、公演中は一定の生活リズムを守ります。平常心でいられる環境を整えるというか。
【青山】あと、ちょっと今日は疲れているな、なんて思った日は、それぞれ早めの対策をします。終演後にチョコレートを食べたりとか(笑)。
【斎藤】食事を多めに食べたり。
【南】あまり体には良くないんですが、僕はコーラを飲みます。
【一同】え~。
【南】普段は飲まないですよ。いざというときのためにコーラはとってある(笑)