報告の「NG例」と「OK例」

まずは、良い報告のイメージ作りのために、悪い例、良い例を比べてみましょう。これは、管理部門で自社のウェブサイトの維持管理をしている担当者が、上司(課長)にサイト改訂の報告をしている場面です。

【NG例】

課長。ウェブサイトの改訂の件なのですが、各部門とも重要性を理解していないと思われまして、私が催促しているにもかかわらず、営業、開発、物流部門から改訂原稿があがってきていません。また、サイト改訂プロジェクトメンバーは、デザイン選定に自信がないようで、決定を先送りしており、そちらも決まっていません。

そのため、外注のシステム会社が作業に着手できず、期末のサイトリニューアルは1カ月ほど、遅れてしまいそうなのですが……。


【OK例】

課長。ウェブサイト改訂の件ですが、結論から申しますと、期末のサイトリニューアルは、1カ月ほど遅れる見通しです。原因をひとことで言うと、当社の準備の遅れです。そのため、外注のシステム会社が作業に着手できません。

遅れている作業は2つあります。原稿の準備と、デザインの決定です。原稿準備は3部門。営業、開発、物流部門です。私は、重要性が理解されていないのだと考えています。デザインに関しては、サイト改訂プロジェクトメンバーが決定を先送りしています。私は、メンバーがデザイン選定に自信がないためだと見ています。

資料を広げてミーティングをする2人のビジネスパーソン
写真=iStock.com/west
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1分以内で評価が決まる…報告には「3つの話法」が欠かせない

実際に話すと、NG例は40秒、OK例は50秒ぐらいになり、OK例のほうが時間がかかります。にもかかわらず、OK例のほうが簡潔、明瞭な報告に聞こえるのは、3つの話法を活用しているからです。