瀬島は南部仏印進駐に消極的だったが…

南部仏印進駐の1週間ほど前、瀬島は作戦班長を通じ、文書で課長の服部卓四郎に意見具申した。

「兵を動かせば相手の兵を呼ぶ。進駐が対米英戦のきっかけになるという恐れを強く感じたんです。日本が本当に戦争を決意し準備してからでないと予期しない事態になる、進駐はやめるか延期すべきじゃないかと進言しました」

だが、服部の返事はなかった。南部仏印進駐は米国の対日石油禁輸措置を招き、石油のない日本は屈服するか、戦うかの岐路に立たされる。