夫は妻の親友を手にかけていた

夫が傍聴に来ないでほしいと言っていることは弁護人から聞いていたが、尚美はいてもたってもいられず傍聴に行くことを決意し、私も付き添うことになった。傍聴席にはかつての同僚の姿もあり、尚美は眼鏡にマスクをし、必死に顔を合わせないよう下を向いていた。

「妻に性的魅力を感じたことは一度もありません」

夫による妻にとっては屈辱的な供述が続いたが、尚美に動揺する様子はなかった。そして傍聴を終えると、尚美は諦めたような口調で私に報告した。