60歳から丈夫な骨のために、摂取すべき食材は何か。管理栄養士の大柳珠美さんは「60歳以降の食事や運動、生活習慣によって骨粗鬆症のリスクが上がる。立ち上がるときなどに背中や腰が痛む際は要注意だ」という――。
※本稿は、大柳珠美『糖質を“毒”にしない食べ方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
「立ち上がるときなどに背中や腰が痛む」は要注意
骨のなかでは古くなった骨が吸収される「骨吸収」と、新しい骨が形成される「骨形成」が繰り返されています。骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨吸収が進んでしまうと骨量が減って骨がスカスカになる「骨粗鬆症」となり、転倒などで骨折しやすくなってしまいます。
骨折しやすいのは背骨、手首、大腿骨頸部(太ももの付け根)。大腿骨頸部の骨折は入院手術が必要になり、寝たきりや認知症につながるおそれもあります。
自覚症状がないまま静かに進行し、骨折してはじめて気がつくケースがほとんどですが、軽度から重度では次のような症状が見られます。
○骨粗鬆症の症状(軽度→重度)
□立ち上がるときなどに背中や腰が痛む。→背中や腰が激しく痛み寝込む。
□重いものを持つと背中や腰が痛む。→転んだだけで骨折する。
□背中や腰が曲がってくる。→背中や腰の曲がり方がひどくなる。
□身長が縮んでくる。→身長の縮みがかなり目立つようになる。
□立ち上がるときなどに背中や腰が痛む。→背中や腰が激しく痛み寝込む。
□重いものを持つと背中や腰が痛む。→転んだだけで骨折する。
□背中や腰が曲がってくる。→背中や腰の曲がり方がひどくなる。
□身長が縮んでくる。→身長の縮みがかなり目立つようになる。
骨量は20歳前後をピークにどんどん低下していきます。女性ホルモンのエストロゲンは骨形成を促し骨吸収を抑える働きがあるため、閉経後の50代から女性は骨量が減少して骨粗鬆症のリスクが上がります。
男性は女性に比べて骨が太く丈夫なため骨量もみっしりとあり、女性のようにホルモンの急激な変化にさらされることはありませんが、60歳以降の食事や運動、生活習慣によってそのリスクが上昇します。
男女ともに栄養面ではタンパク質、カルシウム、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンKの不足が原因となります。