また妻が家計を握っていても日々のやりくりに精いっぱいで、長期のキャッシュフローは見ていないことも多い。2人で(これが重要)、プロのFPなどの手をかりて、今後、子供に、そして2人の老後にいくらお金が必要なのか、向き合ってみることも重要だ。

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今や共働き世帯が専業主婦世帯を大きく上回る時代に

今は、結婚生活を始めたころの試算よりも、夫の給料はダウンしている。しかし、妻たちはいまだ“昭和の夢の中”を生きている。「車を手放すなど、目に見える変化があると、妻は働き始めました」と、昭和妻の意識改革に成功した夫はいう。しかしその場合、夫1人で家計プランを立て、いきなり妻からお財布を取りあげると揉め事になる。あくまで2人で家計の「見える化」に取り組むことだ。

そして、最後になったが、一番必要なのは夫の「懺悔」である。思い出してみてほしい。子供が0歳から3歳になる間、どのくらい子育てを手伝ったか? 浮気などの疑わしいことはなかったか? それらを妻は一生覚えている。

「養う」「幸せにする」という前提で、子育てを妻に任せきりにし、お金だけ運べばいいというスタンスを取っていなかったか? 夫の懺悔なしには、妻は動かない。以上のすべてを解決する魔法の3語がある。それは、「ありがとう」「ごめん」「君のいうとおりだね」。お題目のように、繰り返すうちに事態は少しずつ好転するはずだ。

妻が自発的に働きに出たら、要注意だ。外資系勤務の夫を持つAさん(42歳)は、今、夫に内緒で週3回お掃除の仕事をしているが、「ここまで落ちたかと思いました。でも、この仕事ができれば、どんな仕事でも大丈夫と思いました」という。自発的に働きに出ることは、自分自身への働く覚悟を試す「リトマス試験紙」だったのだ。

それは妻が夫に対して離婚を視野に入れているときと考えていい。女は現実的で、長い時間をかけて戦略を練る。試してみて、自立の自信がついたあと、突然離婚を切り出す。俺を愛しているから働くのだと、油断してはいけない。

ライター 
白河桃子

慶應義塾大学文学部卒業後、商社、外資系企業勤務を経て、現職。著書は『「婚活」時代』(共著)など多数。
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