「目標達成」に向けてコツコツ努力し続けるにはどうしたらいいのか。東京大学理科三類に現役合格後、2019年にミス東大に選ばれ、今春より医師になった上田彩瑛さんが、勉強をやる気にさせてくれる存在や勉強机、1日1時間だけの娯楽について語った――。

※本稿は、上田彩瑛『数学を武器にしてみよう!』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

進捗報告のチカラ

毎日必ず行なうことを決めて、日々コツコツ取り組んでいれば、受験間際には膨大な蓄積になります。また、毎日の生活のリズムをつくるためにも、ルーチン(習慣的に行なうこと)を決めるのは大切なことだと思います。

私も、朝起きたあと、しばらく「何をやろうか……」とぼんやり考えて、ぐずぐずしてしまうことが多かったので、夜寝る前に「起きたら必ずやること」を決めておいて、朝起きたらすぐに実行するようにし、無駄な時間を過ごさないようにしていたのです。

たとえば、高2の1月に、理科の物理と化学に取り組むと決めてからは、毎朝3問ずつ理科の問題を解くことにしました。

どうしても集中できないときは、清史弘先生の『数学の計算革命』(駿台文庫)を開いて、少し頭を働かせてから理科に取り組んだりしていました。

さらに週に一度、「今すぐに理科の勉強を始めたほうがいい」とアドバイスしてくれた、塾の数学の鶴田先生に、進捗を報告するようにしました。私から言い出したのではなくて、先生から「週に一度報告するように」と指導が入ったからです。ありがたいお話です。

少しさぼってしまった週は、「やばい、今日先生に見せないといけないのに……」と、必死で遅れを取り返そうとしました。1日で1週間分を解いた日もあり、それがとてもつらかったので、課題を溜めるのはやめて、毎日真面目に取り組むようになったんです。

誰かに報告することはとても大事なことだと思います。私の場合は塾の先生でしたが、親でもいいでしょうし、友達同士で報告し合うのもいいのではないでしょうか。

私が報告していた鶴田先生は厳しく指導してくださる先生でしたし、数学の先生なのに理科について忠告してくれて、「ここで言いつけを守らなければ、見捨てられる」と思い、必死に取り組んでいました。自分にとってプレッシャーになる人や、悲しませたくない人にあえて報告するのがよいのでは、と思います。