在庫管理のスペシャリストに

IC(インディペンデント・コントラクター)として活躍している人は、どのように個人でビジネスを構築しているのだろうか。

「独立した初年度の売上はサラリーマン時代の6掛けでしたが3年目でほぼ同じ水準になり、現在は2.8倍になりました」

ファッションビジネスコンサルタントとして2004年に独立したIC協会の齊藤孝浩理事はそう語る。齊藤理事は「ファッション商品の在庫コントロールの専門家」と自身を位置づけている。アパレルの在庫管理というニッチな分野にビジネスの焦点を定めたのは、サラリーマン時代の経験がベースにある。

「ICになる前は中小から中堅規模へ成長するフェーズの小売チェーンに勤務していて、人一倍在庫に苦労しました」

この会社には商品管理部門がなく、仕入れをバイヤーに大きな権限を与えて任せていた結果、必然的に売れ残りが生じ、それを売り切るためにバーゲンセールを行って粗利が下がるという悪循環に陥っていた。

「商品管理の精度を上げればもっと利益も上がる」と主張した齊藤理事は商品管理部門の立ち上げを任され、3年間に渡って業務改革を主導。その成果は在庫が20%減少し、粗利益が5%上昇するという数字に結実した。ここで得た経験とノウハウを核に、ICとしてビジネスを展開しているのである。