投資家の中島聡さんのメルマガ「週刊Life is beautiful」は実業家の堀江貴文さんも購読することで有名だ。そんな中島さんには「投資信託のなかでも絶対に買ってはいけないもの」があるという。中島さんの著書『メタトレンド投資 10倍株・100倍株の見つけ方』(徳間書店)より一部を紹介しよう――。

100万円預けても利子が年1000円の銀行預金

銀行預金には「元本保証」があるため、一見すると安心で安全に感じられます。ペイオフ制度により、銀行が破綻しても1000万円までの預金と利子は保護されるからです。

銀行口座の通帳
写真=iStock.com/Yusuke Ide
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しかし、だからといって、預金しておくだけで資産が確実に増えるわけではありません。むしろ、日本やアメリカなどでインフレが進行している状況下では、現金の価値が目減りするリスクを抱え続けることになります。

さらに銀行預金の金利はごくわずかです。例えば、2024年の日本銀行の追加利上げを受けてメガバンクが預金金利を引き上げました。しかし、その金利は0.02%から0.1%になった程度。100万円の預金で、年間の利子はわずか1000円です。

「銀行預金だけ」もまたリスク

その一方で、使わないお金を投資に回せば、預金金利をはるかに上回るリターンが期待できます。

最近、日本で新NISA(少額投資非課税制度)がはじまり、S&P500や日経平均株価などの株価指数に連動するインデックスファンドが大きな注目を集めています。インデックスファンドでは、平均して年率5%程度のリターンが期待できるとのデータもあります。

さらに個別株投資であれば、「メタトレンド」や「推し企業」をうまく見極められると、もっと高いリターンを得られるチャンスがあります。

もちろん、投資にはそれ相応のリスクが伴います。しかし、そのリスクと引き換えに、銀行預金と比較にならない利回りを得られる可能性が生まれます。

銀行預金がまったく不要かといえば、そうではありません。生活費や緊急時の出費に備える資金を預金しておくことは大切です。

ただし、それ以外の資金もすべて銀行に置いたままだと、インフレによる価値の目減りもさることながら、投資による資産成長の機会も逃してしまいます。必要以上に預金を増やすのもまたリスクなのです。