谷崎潤一郎、戦況悪化で再疎開へ
時は遡る。兵庫県魚崎町(現・神戸市東灘区)に住んでいた谷崎潤一郎が静岡県熱海市に別荘を購入したのは、太平洋戦争が勃発した翌年の一九四二(昭和一七)年四月だった。
谷崎は家族を魚崎に残し、単身で熱海に移住して小説「細雪」の執筆に没頭した。戦況が悪化する四四年からは空襲を避けるべく、家族も熱海に疎開させた。しかし四五年になり、東京などで空襲が激しくなると、海沿いの熱海も安全でないと判断し、五月に魚崎にいったん帰ってから岡山県の津山に家族で再疎開することを決めた。
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