待合室で待っていたあなたの名前が呼ばれると、診察室へと入ります。目の前にいる医師は、院長その人でしょうか?
院長の代替わりや、臨時の代理医師の日はあるとしても、院長およびその後継者自らが医療の現場にいてくれることは、患者の情報が引き継がれ、長く診てもらえる点で安心できます。
長く診てもらうことが重要なのは、元気な状態のあなたを知っておいてもらえるからです。元気なときと具合が悪いときの比較ができれば、医師にとっても診療の大きな手助けとなります。かかりつけ医で健康診断を定期的に受診しておくことは、患者のもっとも基本的な行為といえます。
診察室に入ったあなたに対し、医師は問診を行います。患者の話に耳を傾ける姿勢はあるでしょうか?
たとえば「眠れなくて困っています」と訴える患者に対し、「では眠り薬を出しておきましょうね」と答えるようなケース。ただ薬を処方するだけで終わるパターンはすごく多く見られます。
それで納得できる方はよいとして、不眠といっても症状や要因はさまざま。寝つきが悪いのか、途中で目が覚めるのか、悪夢にうなされ続けて辛いのか、その原因は、体調の異変によるものか、たまたま夏の猛暑で数日眠れないだけなのか。もし人間関係の問題となると、睡眠剤だけでは解決しません。カウンセリング等も必要となるでしょう。職場の問題であれば、配置転換のアドバイスもしなければなりません。
患者は具合が悪くて病院を訪ねるわけなので、自分からは情報を発信できないこともあります。そんなときにあらゆることを想定して、生活の状況を含め多方面から診断していく医師は評価できます。
受付時にあなたが書いた「問診票」にしっかり目を通しているかどうかもチェックポイント。医師の“聞く姿勢”が問われるところです。もちろん、患者は問診票を書くのが辛いこともあります。書きたくないけど、信頼している医師へは話すことができるかもしれません。このような行動もその患者の症状だと捉えてくれる医師はなかなか少ないものです。
患者の生活状況の延長には、経済状況があります。ここに目が行き届かない医師は多く、患者の意識との間に大きなギャップを生んでいます。