ゲノムが教える「人類大移動」の足跡

【篠田】その後の研究で分かったのは、デニソワ人もまたホモ・サピエンスやネアンデルタール人と同様に、ある段階で交雑しており、現代人にもデニソワ系のDNAが数%ほど伝わっている地域があること。特にオセアニア(パプアニューギニアなど)や東南アジアの一部でその比率が高いと言われています。

【星野】それまで教科書には載っていなかった人類が、突然DNA解析で浮かび上がったわけですね。

【篠田】そうなんです。しかもデニソワ人がどんな姿をしていたかは、指の骨や歯の化石しか見つかっていないので、まだほとんど不明。でもゲノムはかなり読めているという、非常に逆転した状況が面白いんです。