老化を防いでくれる「カカオポリフェノール」

「ポリフェノール」と聞くと、赤ワインや緑茶をイメージする方が多いと思います。でも、じつはチョコレートの原材料、カカオ豆にも豊富に含まれているのです。

カカオ豆に含まれるポリフェノールの健康効果は、近年、日本でも広く知られるようになってきました。

では、カカオポリフェノールは私たちに、どのような健康効果をもたらしてくれるのでしょうか?

ここでは、医学博士の板倉いたくら弘重ひろしげさんの著書『チョコレートの凄い効能』(かんき出版)や『ココア・チョコレート健康法』(近藤和雄・板倉弘重著、ごま書房新社)をはじめ、これまでに読んだ書籍、取材を通じて得た情報をもとに、私の理解をまとめてみたいと思います。

カカオとチョコレート
写真=iStock.com/ValentynVolkov
※写真はイメージです

脳卒中や老化の一因になる活性酸素を除去してくれる

まずカカオポリフェノールとは、チョコレートの原料となるカカオに由来するポリフェノールです。強い抗酸化作用があります。

抗酸化作用とはわかりやすくいえば、私たちの体を酸化させる「活性酸素」をやっつけてくれる作用です。

私たちの体にとって、酸素は必要不可欠なものです。絶え間なく酸素を吸い込んでいないと、生きていくことができません。しかし、空気を吸って取り入れた酸素のうち、じつは1〜2%が体内で活性酸素に変わります。この活性酸素というのが、病気や老化の原因となるのです。

市川歩美『味わい深くてためになる 教養としてのチョコレート』(三笠書房)
市川歩美『味わい深くてためになる 教養としてのチョコレート』(三笠書房)

活性酸素は、私たちの体にさまざまな悪影響をもたらします。鉄は酸化するとボロボロになってしまいますが、それと同じように、私たちの体も活性酸素によって酸化すると、血管の状態が悪くなって血液がスムーズに流れなくなります。

これが動脈硬化を引き起こしたり、心筋梗塞や脳卒中の原因になったりして、老化の一因にもなるのだそうです。

ここまで聞くと、活性酸素をやっつけたい、と思いますよね。そんなときに活躍してくれるのが、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、そしてポリフェノールです。このポリフェノールがうれしいことに、私たちが愛するチョコレートにも含まれているのです。