米国国債で得た利益に税金、手数料はかかるのか?

満期前に円安になったときに売却しても似たような結果が得られるが、その場合は、複利利回りと年数をベースに計算した理論値が国債の売却価格になるわけではない。

ほとんどの場合、国債の利回りと売却時の実勢金利により変動する。一般的に国債利回りが実勢金利より高ければ、売却価格は理論値より高くなり、国債利回りが実勢金利より低ければ、売却価格は理論値より低くなる。

満期前売却の場合は、実際の売却価格は為替レートだけでなく、実勢金利による国債価格の変動にも左右されるので、実際の売却価格を見ながら、売却するか否かを決定する必要がある。

為替リスクはかなりマネージ可能ということがわかってもらえたと思う。

ここで紹介した為替リスクのマネージの方法は、米国国債だけでなく、ある程度の高金利であれば、ユーロ建て債券、豪ドル建て債券等、他の通貨にも当てはまる。

最後に米国国債の購入・売却にかかる諸費用を見てみよう。

ネット証券で取引をした場合、購入・売却手数料はゼロ。

割引債の満期または中途売却による譲渡益は譲渡所得とみなされ、20.315%の申告、分離課税の対象となる。そして、売却損が出た場合は、上場株式等と損益通算が可能で、特定口座での管理ができる。

銀行預金との比較をした場合、税率は同じなので、利率の高い分だけ有利で、かつ、上場株式等と損益通算ができるのも有利と言うことができる。

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