英文法が得意な人はどんな学び方をしているのか。マナビメイト代表で最難関中高一貫校の生徒1000人以上に英語を指導してきた渡辺雄太さんは「例えば現在進行形であれば、暗記すべき点があるのは否定しないが、まずは根底に流れるイメージやストーリーを捉えることが大切だ」という――。

※本稿は、渡辺雄太『英文法は語源から学べ!』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

テキストで勉強する女性の手
写真=iStock.com/maruco
※写真はイメージです

現在進行形が表す「確実な近い未来」

現在進行形の意味の中心は「途中」「一時的な継続/躍動感」です。現在進行形の用法、ここからさまざまな広がりを見せました。

現在進行形の「一時的な継続/躍動感」のうち、特に「躍動感」に注目してみましょう。ある行為が「躍動感」を伴い「頭の中でいま始まっている」イメージが、「確実な近い未来」につながります。

I am flying to New York next week.
「来週NYに行く予定だ」(確実な近い未来)

上の例文では、「NYに飛行機で飛んでいく」という行為が生き生きとイメージされています。ある行為が既に頭の中で進行してしまうくらい、近い未来のリアルな現実として感じられています。そのため、現在進行形が「確実な近い未来」につながるのです。話者の意識は、矢印の先の方に向いています。

【図表1】近い未来のリアルな現実として感じられている
出所=『英文法は語源から学べ!』(SBクリエイティブ)

現在形の「未来」と現在進行形の「未来」の違い

「未来」といえばwillを連想すると思います。ただ、頭の中で既に動き出している分、現在進行形のほうが確信の度合いはずっと高いのです。なお、現在形も「確定した未来」の意味で使われることもあるのでしたね。現在形と現在進行形が表す「未来」は、次のような違いがあります。

● 現在形の「未来」:公の予定/団体行動の予定に多い
● 現在進行形の「未来」:個人の予定に多い

現在形の「未来」は、予定表や時刻表、スケジュール帳など、「現在見てわかる未来」に使用されます。予定表などは、誰が見てもわかる(=皆に共有されている)ことが多いため、「公の予定/団体行動の予定に多い」という傾向につながったのだと考えられます。

ただ、この使い分けはあくまで一般的な傾向です。「公/個人」の基準に当てはまらない例も見かけますので、1つの目安くらいに捉えるのがよいと思います。