M&A、事業売却で社員のスリム化

【電機】リストラの手法は期限を限定して退職者を募集する希望退職制度を使っている企業が多い。ただし、既存の退職金に加算される割増分は昔は多かったが、大手でも月給の12カ月というところが珍しくない。中小企業では出ればいいほうだという会社もある。

【化学】効率的な事業リストラとして、M&Aや事業譲渡が主流になってきている。事業の売却、つまり従業員も一緒に売り払ってスリム化しようという動きがある。

【金融】外資系企業に事業部門を買収されたら、社員は安心とはいえない。日本企業以上にドラスティックにリストラしてくるからね。外資系の中には、個別に呼んで説得することもなく、1つの課やグループの十数人をターゲットに、ある日突然、全員を呼んで弁護士同席のもとで実質的に解雇を通告しているところもあるそうだ。リストラに応じない場合は「この部門は廃止する。あなたの雇用は守ってあげたいが、日本にはない。シンガポール、あるいは本国にある」と海外転勤をほのめかす。あるいは、今までの仕事と違う雑用だけの仕事を行う部署に異動させようとする。そうなると最終的に応じざるをえない。

【食品】しかし、再就職は厳しいね。うちも外部のアウトプレースメント会社と契約し、再就職支援のサービスを付けているが、なかなか決まらない。今では1年経っても、2年経っても再就職できない人が増えている。それでも再就職したければ、今までとまったく違う職種か、大幅な年俸ダウンを覚悟するしかないのが現状だよ。

【金融】金融の世界では消費者金融が大々的なリストラを実施したが、希望退職に応募したのは40代のマネジャークラスだ。しかし、再就職は厳しい。うちも中途採用で募集したが、年収300万円の契約社員でも応募してくる。

【電機】リストラには子会社や関連会社に出向・転籍させる手法もある。旧財閥系の大手企業では今も出向人事をやっている。ただ、出向させる場合、本人の給与は出向先と出向元で折半するのが普通だが、今は出向先が半分も出さなくなっている。しかも、パフォーマンスが低い社員は出向先からすぐに戻される。

【IT】じつは子会社への出向や転籍をやめるかどうか社内で議論しているが、だめな人材を子会社に押しつけるなという雰囲気だ。今後、出向・転籍できるのは旧財閥系の大手だけだろう。