【流通】要は上に仕事ができると思われることが大事なんだ。仕事ができない社員は、上司に課題を与えられても、期日ぎりぎりに仕上げてきて「これでどうですか?」と提出する社員だ。

逆に仕事ができると思われるにはどうすればよいか。上司が与えた課題を期日より1日前に出すことだ。もう1つは、上司から命じられた翌日に「昨日言われたことですが、こんな理解でいいですか」と確認する。なぜかといえば、まず「彼はやっているな」と思わせること、仕事のスピードが速いなと思ってもらうこと。完成しても何か言いたいのが上司。肝心なのは1~2日前に出すにしても100%の完成度ではなく、8割ぐらいのものを持っていく。上司から、ここを付け加えておいてくれと指示してくる。それを入れることで上司の中では100%になる。つまり、自分の100%ではなく、上司が最終的に口を出して、体裁を整えたという気分にさせればいいわけだ。

【電機】課長以上の登用の要件で、リーダーシップの有無が問われるのは昔も今も変わらない。加えて今、求められている要件は、人のよさでもなければ、酒が強いことでもない。やはりチャレンジ精神、変革力、グローバルセンスの3つだと思う。リーダーシップや部下への指導力がない人はどんどん外されていく。企業合併や組織変革など事業構造ががらっと変わり、自分自身も変わらないといけなくなる場面が出てくる。変化に合わせて自分を変えられる力、新しいものにチャレンジする力が求められてくる。これは20、30代の若い社員に限らない。課長、部長、役員クラスも同じだ。

【化学】スペシャリティも大事な要素だ。部・課長になる人間は、スペシャリティも1つしかないT型人間ではなく、最低2つの専門分野があるπ型人間でないと生き残ってはいけない。専門分野が1つだと視野が狭くなる。

【IT】国内でリーダーシップを発揮した経験があり、海外でのマネジメント経験がある人は強い。あるいは、環境経営に詳しく、CSRもわかるという人も重宝がられる。消費者の視線がCSRに向けられており、ランキングが低いと商品も買ってもらえない時代だ。

【金融】これから生き残る人間は、常にオープンマインドを持ち、いろんな人と積極的にコミュニケーションできる人だ。仕事も含めたいろんな経験やキャリアの幅も広げていく意欲がある人は自然と能力も高まり、結果として会社への貢献度も高くなる。もう1つは特定の専門分野で高度の能力を持つ人。この2つを持つ人が生き残っていくだろう。会社から与えられたポジションと仕事を全うしている万年係長はもはや必要とされなくなっている。

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