観音菩薩坐像は約150億ウォン(約13億円)の値がつけられた

対馬には、100カ寺以上の寺が存在する。圧倒的に曹洞宗寺院が多い。しかし、半数以上は観音寺のように無住という。人口2万7000人の島にしては寺の数が多すぎ、それぞれに住職を置けないからだ。これは対馬のリアス式になった入り江ごとに小集落を形成し、江戸時代にその集落ごとに「ムラの菩提寺」が建てられたことに由来する。

近年は島の過疎化が進み、1カ寺あたりの檀家数がさらに減少している。ムラの高齢化と人口減少によって、監視の目が行き届かなくなり、寺宝の盗難を未然に防ぐことが難しくなっているのだ。

多久頭魂神社では大蔵経が盗まれた
撮影=鵜飼秀徳
多久頭魂神社では大蔵経が盗まれた

2013(平成25)年1月、韓国警察は仏像を売りさばこうとした窃盗団を検挙。盗品を押収した。犯人は対馬での実行役4人と、韓国国内での支援役4人を含む総勢8人であった。対馬には3度ほど下見に訪れていたというから、周到に計画された犯罪といえる。