「受験生優先」から程遠い家庭環境
世の中のご家庭では、中学受験生が最優先されることも多いでしょう。しかし、オトクサ家では常に赤ちゃんやちびっ子たちが優先される環境でした。
「ごめん、オムツ替えといて!」と勉強中に頼まれることも珍しくありません。祖父母も遠方に住んでいるため、私と妻の2人で家事や育児をこなしながら、受験勉強のサポートをする必要がありました。
長男が受験をする小学6年生の頃は0歳、2歳、4歳、6歳、8歳、9歳の妹と弟がいました(年上は2歳上の長女だけ)。ちびっこがいると毎日がにぎやかで楽しいんですが、中学受験に取り組む環境としてはとても大変です。
当時の家庭環境を具体的にお伝えするとこんな感じです。
● 本棚や問題集が日々グチャグチャに(棚に戻してもすぐ床に落とされる)
● 勉強中でも部屋にちびっこたちが気にせず入ってくる(バタバタ走り回る)
● きょうだいの騒ぐ声が絶えない(時には喧嘩も)
● ノートは破られ、消しゴムは割られる(消しゴムは一カ月に50個買っていたことも)
制御不能な様子をご想像いただけますでしょうか。つまり、親が寄り添って勉強を見る、プリントを整理するといった「一般的な受験生活」は、最初から難しい状況だったのです。
弟たちにイライラしつつ、癒される日々
そんな環境でも、長男は小学5年生の年末頃まではリビングで勉強していました。家族10人が座るリビングテーブルなので、今皆さんが考えているサイズの一回り大きいテーブルを想像してもらったほうがいいかもしれません。
家族10人が座れる大きなテーブルで、毎晩18時には全員で夕食を取ります。これは私が大切にしている家族の習慣で、通塾しないからこそできた日課でした。
6年生になってからは、過去問やテスト演習のため、リビングを卒業し、子ども部屋での勉強に切り替えました。リビングの騒がしさは相変わらずでしたが、休日は弟たちを公園に連れ出すなど、できる範囲でサポートを心がけました。
自分は必死に勉強しているのに、毎日騒ぐ弟たちを見てイライラする長男の姿も見られました。しかし同時に、休憩時には弟たちと楽しくゲームをしたり、階段を駆け下りて赤ちゃんのぷにぷにした頬を触って癒されたりする姿も見られました。結果的に、きょうだいの存在が長男の大切な気分転換になっていたように思います。