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市町村議会議員の月額報酬

大阪市や横浜市など月額100万円近い例もあるものの、全国平均では月額30万円程度。ここから税金、年金、健康保険の掛け金などを差し引かれると、手取り額は十数万円にすぎない。その枠内で月々の家賃や生活費、さらに議員活動に欠かせないポスター、葉書、交通費などの費用を賄わねばならない。自治体によっては、手取りが月額10万円を割り込み、副業がなければとても生活できないというケースも少なくない。

会社勤めから短期間の選挙活動で当選を果たすほど能力の高い人材にとって、報酬面で議員に転ずるメリットはほとんどない。

(PIXTA=写真)

それでもあえて政界に身を投じようとする候補者が絶えないのは、損得計算を度外視し、「公のためにがんばろう」という高い志を持った政治家予備軍がいるからこそだ。

リスクの大きさに対してメリットが少ないため、現在は地方でも国政でも、企業出身の議員は少ない。つまり、それだけ企業の声が政治に届きにくくなっている。

個々の企業の都合は別として、より広い視点から見れば、会社勤めを経験した有能な人材が、議員となってビジネス的な視点を政治に持ち込むことは、企業にとっても日本社会にとっても、大いに望ましいことのはずである。

経団連や経済同友会など、経済界を代表する団体が率先して「従業員が休職して立候補・選挙活動を行うことを、制度として認めることが望ましい」といった声明を出してはどうだろうか。

(構成=久保田正志 写真=PIXTA)
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