問題はまだある。松山家の住宅ローンは借入額5000万円、期間は35年で、返済終了は70歳を過ぎている。繰り上げ返済で期間短縮を図りたいが、現状では無理だ。
まずは、毎月の支出を絞って貯金のできる状態にする必要がある。こづかいは半減し、食費や通信費なども全体に絞り込む。保険料も見直して、合わせて月10万円は浮かせたい。だが、今後も私立に通わせるなら、妻も働きに出ることを検討したほうがいい。
子どもを私立に通わせると、周囲はお金持ちでいっぱいだ。見栄もあって、学費以外に何かと出費がかさんでしまう。私立小学校はもともと、学費のほかにそうした費用も含め、毎月の収入から無理なく払える家庭の子どもが通うところだ。少しばかり高収入でも、一般のサラリーマンには敷居が高いと心得たい。
山川家はここを改善!
妻の収入がなくても黒字。住宅ローンを上手に利用
住宅ローンの使い方がうまいのはさすが。現在の低金利を上手に利用して繰り上げ返済資金を貯めている。収入が多いと食費や水道光熱費などは膨らむのが普通だが、年収700万円程度の家庭と同水準に抑えている。家族旅行の費用を多めにとっている点も◎。妻の収入がなくても黒字になる家計なので変化に強く、妻が働くほど貯金が増える頑丈な家計。
松山家はここを改善!
収入以上に支出が水膨れ。見栄を捨てて体質改善を!
収入以上に膨らんでしまった家計。頭金を出してもらって身分不相応な家を買っても住宅ローンに苦しむだけ。子どもを私立小学校に入れたのも無理があった。見栄は捨てて節約に励むこと。こづかい10万円を5万円に、つきあいで入った保険も月2万円台に見直し、食費や水道光熱費なども工夫を。毎月10万円の節約から始め、家計の体質改善を目指す。
(有山典子=編集・構成 PIXTA=写真)