年収1000万円でも貯蓄ゼロの世帯は6%以上
年収1000万円プレーヤーはサラリーマンの夢。それだけ年収があれば貯金できないほうが不思議に思える。
金融広報中央委員会の調査でも、年収1000万~1200万円の世帯の貯蓄額は平均2413万円。最も一般的なレベルを示す中央値では1450万円という結果が出ている(『家計の金融行動に関する世論調査』10年)。
だが、それだけの年収があっても、14%強の世帯は貯蓄が300万円未満。なかには貯蓄ゼロの世帯も6.5%ある。この差はいったい、どこから生まれるのか?
子どもを私立に入れると貧乏に転落する
まずは、順調に貯金を増やしている山川さんの場合。銀行に勤める山川さんの周囲には専業主婦家庭が多いが、妻は資格を活かして2年前に契約社員として仕事に復帰。ずっと働き続けるつもりだ。
住まいは割安な中古物件を探して購入。貯金から1500万円の頭金を払い、変動金利ローンで3800万円を借りている。低金利で返済額が少ないうちに貯金を増やし、繰り上げ返済で60歳までにローンを終わらせる計画だ。
今は保育料がかかるので教育費はやや高めだが、食費は健康も考えて手作りを優先、家庭菜園の野菜も利用して、月5万円に抑えている。
一方、年収1000万円を稼ぐのに80万円しか貯金がないのが松山さん。特に贅沢しているわけではないのに、なぜか貯金が貯まらない。
毎月の家計を見ると、確かに突出しているところはない。ただし、松山さんのこづかい10万円は明らかに使いすぎ。
問題点は、ボーナスの使い道を見れば判明する。半分以上は子どもの通う私立小学校の学費で消え、さらに住宅ローンのボーナス返済が追い打ちをかける。今のボーナスの水準が今後も続く保証はなく、この状態は極めて危険。