年収800万円超のサラリーマンは8%しかいない

(Getty Images=写真)

日本のサラリーマンのうち年収800万円を超えるのは8%以下(国税庁『民間給与実態統計調査』10年)。年収800万円は“高給取り”といって間違いない。

「そんな高給取りになれたら、もっと貯金ができるのに」と誰もが思うだろう。だが、年収が増えても貯金が増えるとは限らない。収入が増えれば気持ちが大きくなり、生活費も膨らんでしまうのが普通だからだ。

「収入が増えたから少しぐらい使っても大丈夫」「高給取りにふさわしい生活をしたい」、そう思うのが間違いのもとで、下手すると貯金がちっとも増えないばかりか、減ってしまうことにもなりかねない。

収入が増えて気が緩むと落とし穴にはまる

年収800万円になっても若い頃とさほど変わらない暮らしを続けているのが山田さん。上の子は今年県立高校に進学、下の子は公立中学に通い、兄と同じ高校への進学を希望している。2人の大学進学資金はこども保険を利用して、すでに準備は万端だ。

こづかいは月3万円。昼食は弁当持参で飲みにいくことも少なく、趣味の鉄道雑誌を買うぐらいなので、特に不足することはないという。

給与天引きの財形貯蓄で積み立てながら、年間で140万円を貯めている。住宅ローンは繰り上げ返済を何度か繰り返して60歳までには終了する見込みだ。

一方、年収は同じ800万円でも、杉山さんの家計はかなり厳しい。

中堅商社に勤める杉山さんの年収は600万円。妻は契約社員として働き200万円の年収があるが、通勤用の服を買ったり、同僚と食事に行ったりと、収入を好きなように使っている。私立高校に通う娘と一緒に出かけるのも大好きで、ねだられては洋服代を渡したりしているようだ。