人びとはどのサービスをどの程度利用し、その傾向は年々どのように推移しているのか――。プレジデントオンライン編集部がビデオリサーチ社と共同で お届け する本連載。首都圏の消費者を「お金持ち」層(マル金、年収1000万円以上)、「中流」層(マル中、年収500万円以上から1000万円未満)、「庶民」層(マル庶、年収500万円未満)という3ゾーンに区切り、生活動態の分析を試みている。


太陽光発電で電気代を賄ってお釣りがくる家庭も!

マル中層を中心に全体層で「次に欲しいもの」という欲求度が高かったネクスト商品に、意外なものが挙がった。

太陽光発電設備である。

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太陽光発電システムを欲しいと思う割合(男女25~59才、世帯主もしくは女性家事買い物担当者)

2010年から11年にかけて各層で伸びているが、マル中層では約8%も伸びているのである。そこで、個人宅での太陽光発電設備をつけるには今どれくらいのコストがかかり、どんなメリットがあるのか、太陽光発電協会に取材してみた。

そもそも太陽光発電における大きな出来事を追ってみると、まず1992年に個人住宅での逆潮流ありの太陽光発電システムの実用が始まった。通常、住宅内などで用いる電力は、電力会社の配電線から住宅内に引き込み線を通じて取り込まれ、住宅内にある負荷に供給されるので、電気の流れは、電力会社の配電線から住宅内への方向に流れる一方向のみである。だが逆潮流とは、太陽光発電設備のように電気を発生する機器からの電気を通常とは逆に住宅内から配電線の側に流す場合を指す。これに伴い、電力会社による余剰電力の買い取りが始まった。

また09年にはさらにこれが法的にも認められることとなった。エネルギー供給構造高度化法の成立により、余剰電力買い取り制度が確立したのだ。さらに昨年12年の7月にはこれが全量買取を含む「固定価格買取制度」として新たに始まった。

「昨年の固定価格買取制度は大きかったですね。実際、それで電気代に少し黒字が出る家庭が現れているとも聞いています。太陽光発電設備を自宅に設置するには、今、平均でだいたい47万円/kWのレベルで初期費用がかかりますが、10年くらいで元が取れるケースも多いようです。東京都などの場合は、都や区から助成金が出る場合もあり、実際の費用の半額くらいで装備できるものもあるようです」(太陽光発電協会技術部長・亀田正明氏)

自分の家で発電してさらにお小遣いも出る、というようになれば確かにいいことづくし。 
日本国内は日照量的にも問題なく発電できるようだ。

「都道府県別の日照量を調べてみると、最も日照量の多い沖縄や高知と少ないと思われている日本海側の県とでは、実は1割くらいの差しかありません。日本国内でなら、1kWのシステムで年間約1000キロワット時程度の太陽光発電が可能でしょう」(亀田氏)