熱中した思い出は無味乾燥な人生を支えてくれる
やりたいことを見つけるためには、とにかく何かに打ち込むことだ。
自分が心から好きで、これをやっている間は時間を忘れられる、という何かだ。それに「熱中」した思い出は、君の心の奥底にある鍵付きの部屋の一番奥、額縁に入れて飾られることになる。そして、その思い出がそれから何十年も続く、(青春時代と比べれば)無味で乾燥した人生を支えてくれるのである。
学生時代、それも青春時代と言われる中学生から高校生、大学生という期間は、その真っ最中には長く間延びして、いつまでも終わらないような気になるものだ。
だが、実はその時間は人生の中でほんの13%ほどしかない。まるで急行列車が通過する小さい駅のような一瞬で通り過ぎるものだ。「物心がついていない」幼児期から思春期前の小学生は、親の言われるままに暮らしており、それは自分の人生ではない。
学生時代は実は人生でもっとも自由な時間
一方で大学を卒業して社会人になると、学生時代よりはるかに厳しい規律に縛られ、たった1週間の夏休みと冬休みしかなく、ほとんどずっと仕事をしているような生活になる。それから結婚して家庭を持ったりなんかすると、これまたやることが多くなってゆっくり自分の時間を持つことなんてできなくなる。
だから、君の人生の中で、好きな本を読んだり、絵を描いたり、やりたいスポーツに熱中したり、惚れた異性のことを何時間も考えていたりという過ごし方ができるのは、実は学生時代のほんの数年、長くても10年間のことなのだ。しかも、この時代というのは多くの人は体に力がみなぎり、頭もよく冴えていて、金はないが行動力があって本当にどんなことでもできる。学校や親に叱られてばかりで自由がないような気がするが、実は人生のうちでもっとも自由な時間なのだ。
この学生時代に何をするかということは、僕はけっこう大切だと思っている。
なんでもいい。とにかく、何かに「熱中」してほしい。部活でも好きなアイドルでも読書でも動画でも、恋愛でも勉強でもなんでもいいのだ。打ち込んだ結果なんて出なくていい。立派な結果が出てしまったばっかりに、大人になってもずっとそれにすがって生きる残念な人は少なくない。