ファッション性のある新しいだるま
アマビエだるまのヒットをきっかけに自信を深めた千尋さんは、新たな商品開発に乗り出す。その一つが「グラデーションだるま」だ。
ルイ・ヴィトンのバッグやスターバックスのタンブラーで見かける機会の多かったグラデーションカラーをだるまに採用。エアブラシを使うことで従来の筆塗りでは表現できないなめらかな階調性のある彩色を実現した。
ちなみに、グラデーションだるまには純一さんの筆で顔が描かれている。高崎だるまの一つと認められているようだ。
また、だるまが最も売れる年始に向けて、干支をモチーフにしただるまとアマビエだるまのセット商品も作った。2020年に数百個をお試しで販売するとたちまち完売。翌年からは新春プレミアムセットと名づけて、正式に商品化した(価格は2個で5000円)。
「お正月ってお金を使いたくなりますよね。でも、だるまは衣食住に当てはまらないので、1万円を超えるとキツイ。手取り12万の頃のわたしが特別な日に出せる金額を基準に考えました」
新春プレミアムセットはインスタで告知をする時にも工夫が施されている。なぜその色を使ったのか、どのように縁起がいいのか。デザインの意図や意味、風水を含めた縁起の担ぎ方が解説されている。
季節限定のカラーデザインを施しただるまも千尋さんが手がける人気商品だ。これも自身の体験が原点にある。
「モデル時代から思っていたんですが、ディオールやティファニーのブランドって限定商品が多いんですよ。なので、春夏秋冬に関連した季節限定の商品を開発しました」