見守っていただくくらいがちょうどいい
そもそも具体的に「○○を叶えてください」という風にお願いすると、あの神社は「お願いを叶えてくれた」「叶えてくれなかった」という、他力本願の考え方になってしまいます。しかも「○○を叶えること」が長い人生で見た時には必ずしもいいことであるかはわかりません。
たとえば、私が「今度出版される神社の本をミリオンセラーにしてください」とお願いしたとします。たとえばそのお願いが、その神社のご利益で叶ったと仮定しましょう。しかしそれが長期的に見ると必ずしもいいことかどうかはわかりません。
そのせいで対人関係など大きなトラブルに巻き込まれるかもしれないし、もう本を書こうという意欲もなくなってしまうかもしれません。それらは、私にとって金銭や名声以上に大きな損失です。
そういう意味でも、いい方向に見守っていただくくらいがちょうどいいのではないでしょうか?
こちらももともと効果を狙ってのことではなく、「神頼みってなんかかっこ悪いな」という思いから宣言することにしていただけですが、結果としては「運のいい人」になれそうです。
心が揺さぶられる「Awe体験」の効果
⑥Awe体験効果
雄大な大自然などに触れた時、言葉にできない何かがこみ上げて心揺さぶられた経験はないでしょうか? このような状態をAwe(オウ)体験と呼びます。
Aweは「畏敬の念」という意味です。
近年、Awe体験が脳を活性化させ潜在パワーを引き出すことが、脳科学の研究で明らかになってきています。
もともとは、宇宙飛行士の体験談が研究のスタートでした。宇宙から地球を眺めるという強烈な経験をすると、ほとんどの人間は自分が地球という星の一員であることを実感し、他人に対してやさしく謙虚になるといいます。
アリゾナ州立大学の社会心理学者ラニ・シオタ博士は、Aweを体験することは人間の神経系に特異な影響を与え、「健康」「ストレスの軽減」「人とのつながり」「頭の回転」「創造力」「寛容性」などに好影響があると主張しています。
神社参拝でも雄大で心洗われる風景に出くわすことはよくあります。
大神神社(奈良)には「大美和の杜展望台」と呼ばれる展望スポットがあります。東にはご神体である三輪山、西は大鳥居と大和盆地の大パノラマが広がっています。二上山や金剛葛城連山を背景に、畝傍山・耳成山・天香具山の大和三山が望める絶景で、私が神社参拝にはまるきっかけになった場所です。