Amazonはなぜ違法商品を野放しにするのか

このGoodasstブランドは、Amazonの商品説明で「日本Amazonでの独占販売権」などと謳い、「孫を守るために購入しました」「補助椅子なしで安心」などという高評価のカスタマーレビューを紹介している。

AmazonにおけるGoodasstの商品説明(2024年10月16日閲覧)
AmazonにおけるGoodasstの商品説明(2024年10月16日閲覧)

チャイルドシートは、国交省の道路運送車両法によって規制されており、Amazonや楽天は消費者庁による「製品安全誓約」に署名している。つまり、安全基準を満たさない違法なチャイルドシートを扱わないという署名をしているのだ。

製品安全誓約をしたOM運営事業者一覧
製品安全誓約をしたOM運営事業者一覧

筆者がAmazonにGoodasstの商品について通報すると、最初はすぐに広報担当者から返事が届き、商品が「在庫切れ」と表示されるようになった。ところが後日、販売が再開されたため、Amazon担当者に改めて連絡したのだが、「社内で確認させていただきます」という回答が返ってきただけで、現在もGoodasstの商品は購入できる状態になっている。

国交省「販売中止を求めたが、今また再開」

これについて国交省物流・自動車局でチャイルドシートを担当する「審査・リコール課」に確認したところ、驚きの回答が返って来た。

「こちらの製品は『安全基準に適合しているのか?』などの情報提供を数多く頂いており、国交省としても今年10月頃から調査をすすめ、AmazonとGoodasstには照会をかけています。Goodasstから送られてきた検査報告書を確認したところ、技術基準は取得していない(=安全基準R44に適合しない)ことがわかりました。Eマークのタグも偽造であることもわかっています。販売中止を求めて一度は、Amazonでの販売がなくなりましたが、今また販売が再開されています。

また、楽天市場で販売されている布製ジュニアシート(=安全基準を満たしていない商品)についても、販売店に照会をかけるとほとんどは取り下げてくれるのですが、結局しばらく経つと販売が再開されていることが多いのです。また、『これは自動車用のチャイルドシートではない』と強硬に突っぱねる販売会社もあります」

いたちごっこであることはわかっていたものの、ここまでひどい対応だとは非常に驚いた。国交省の削除要請も無視して、危険なチャイルドシートの販売をやめないとは……。私たち消費者がこれらの商品を買わないことが最良の選択ということになる。