家族や友達との時間を大切にする

経営者の方は自費できっちり毎年、人間ドッグを受けていたり、特に症状がなくても定期的に歯医者や婦人科に行く、という方も多いですね。

また、最近よく見かけるのは、「マイボトル」。体に合ったお茶をブレンドしてもらい、それを煮出してマイボトルに入れている方や、ノンカフェインのお気に入りのハーブティーを詰めている方など、皆さんそれぞれがこだわりのお茶をマイボトルで携行しています。

稼いでいる人が夜の店で豪遊しているような話はよく耳にしますが、本当のお金持ちは、無駄に飲み歩くようなことはしません。その一方、家族や友だちといった人との時間は大事にしているので、その際の食事や旅行には潤沢にお金をかける。ダラダラと毎晩どこかで浪費するのではなく、大切な「時間」や「体験」だと思える時だけお金をつかうのです。

パッと見で分かるような豪快なお金の使い方をする人は、出入りが激しいだけで、貯金や家、土地といった資産(ストック)が乏しい方が多いような気がします。私の母はすぐタクシーを使いたがるのですが、逆に、近所のお金持ちのおばあさまは常にバスや電車を使っていて、健康面、無駄遣いをしないという点においても、富裕層の方は徹底しているなぁと感じます。

タクシーの列
写真=iStock.com/bee32
※写真はイメージです

教育費はしっかり使うけれどメリハリがある

最後に、教育です。子どもへの教育費はしっかり使う方が多く、夏のキャンプや海外旅行といった「体験」も、彼らの中では教育のカテゴリーと言えるかもしれません。

かといって、子どもが望む習い事はなんでもさせるとか、受験だからといっていくつも講習を受けさせるといった使い方ではなく、何かしらの制限や子どもと約束ごとを設け、何でもお金で解決するような方法はとらない。教育面でも、普段の消費行動と同じ哲学を感じます。

本連載ではこれまでにさまざまなお金の失敗談を取り上げてきましたが、その度に思うのは、「自分軸」の大切さです。お金持ちが、なぜお金持ちであり続けるのか。そこには、消費に対する確固たるポリシーがあり、ゆえに無駄な支出がなく、コツコツと着実に資産形成ができる――そんな好循環が出来上がっているのではないでしょうか。ぜひ皆さんもこれを機に、自分のお金の使い方を振り返ってみていただけたら幸いです。

(構成=小泉なつみ)
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