50年ローンで返済金額はどれくらい軽減されるか

では、実際のところ、返済期間を長くすれば、どれくらい毎回の返済負担が減り、どれほど借入可能額が増えるのだろうか。

図表2にあるように、借入額5000万円、金利1.0%の住宅ローンを20年返済で借りると、毎月の返済額は23万円近くに達するが、それが35年返済だと14万1142円になる。20年返済に比べて9万円近く減る計算だ。

それを50年返済にすると10万数千円まで減らすことができる。35年に比べて3万5000円ほど減るのだから、かなり返済はラクになるはずだ。

毎月の返済額が減れば、借入可能額が増えるメリットがでてくる。図表3をご覧いただきたい。たとえば、年収600万円の人が、銀行の審査基準の上限である返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)35%まで借りる場合、35年返済では借入可能額は6200万円だが、50年にすれば8260万円まで借り入れ可能になる。

このところ住宅価格の高騰が続いていて、自分の年収ではマイホームなど「高嶺(高値)の花」と諦めかけていた人も、50年返済を利用すれば、「高嶺」に手が届くようになる。

【図表2】返済期間と毎月返済額の関係
【図表3】返済期間と借入可能額の関係