「世間」を装って意見を述べ続ける不気味さ

彼を許さないのは一体何なのか、何かわからないものによって断罪され続ける彼を「世間」の言うままに冷遇する会社は一体どこを向いているのか、昭和オジサンとともに視聴者もまた腑におちずに立ち止まる。

有名人だから仕方がないのか、という気分になってくるうちに、不倫アナウンサーに手厳しい対応をしていたコンプライアンスにうるさいテレビ局幹部が、ホームパーティーに主人公を誘う。そこで繰り広げられる光景は、まさに現代の不倫夫と「世間」の関係の縮図であった。

要はテレビ局幹部は大昔、妻を裏切り妻の友人と浮気をしてしまったという過去がある。夫婦間の会話や家庭の雰囲気を見れば、妻とはすでに向き合い、2人の間の問題は解きほぐされているようである。しかし年に1回やってくるという妻の友人たち、そしてその夫たちは彼の過去を許す様子も彼の言葉を信じる様子もなく、未だに熱量高く怒り、彼を批判・断罪し、説明や謝罪を要求し続けている。