ペットボトルが開けられず、人生に絶望した高齢女性

【澤円】中島さんが実際に出会った、グリーフに直面した人の例を教えていただけますか?

【中島輝】70歳ほどの女性がグリーフに陥ったきっかけは、「ペットボトルの蓋を開けられなくなった」ことでした。それまでは元気に仕事も家事もこなせていたのに、あるとき突然、固く締まっているペットボトルを開ける力がなくなっていたそうなのです。それをきっかけに、「この先、自分の人生はどうなってしまうのか」と大きな悲しみを感じたといいます。

ペットボトルのふたを開ける人
写真=iStock.com/onuma Inthapong
※写真はイメージです

【澤円】死別のような、ある意味でわかりやすいきっかけではありませんが、できたことができなくなるということには、確かに大きな喪失感を覚えそうです。そのグリーフに向き合うときに、ベースとして持っておいたほうがいい意識のようなものはありますか?