健康になるためにはどんなものを食べたほうがいいか。女子栄養大学の林芙美准教授は「野菜にはさまざまな栄養素が含まれているので積極的に食べたほうがいい。ただ、調理の仕方や食べ方にはよっては栄養素を上手く摂取できないおそれがある。とくに、生野菜のサラダを食べるときは注意が必要だ」という――。(第2回)
※本稿は、林芙美(監修)『間違いだらけの「野菜」の食べ方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
脂質と一緒に食べたほうが良い野菜もある
野菜をとると聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、生野菜サラダを食べることではないでしょうか。健康と美容のために、生野菜サラダにノンオイルドレッシングをかけて食べるのを習慣にしている人もいるかもしれません。
野菜を食べるよう心がけ、そのうえドレッシングによる脂質のとりすぎにも気を配っているのは、とてもすばらしいことです。ただ、生野菜サラダにノンオイルドレッシングの組み合わせには、意外な落とし穴があります。
まず、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは脂溶性で、脂質と一緒にとることで吸収率がアップするという性質があります。つまり、生野菜サラダ×ノンオイルドレッシングという組み合わせだと、β-カロテンを効率よく吸収できない可能性があるのです。栄養素の摂取効率という観点では、パーフェクトな組み合わせとはいえません。
もう一つ、ノンオイルタイプのドレッシングを使うときに気をつけてほしいのが食塩のとりすぎです。通常の分離液状タイプとノンオイルタイプの和風ドレッシングの大さじ1杯当たりのエネルギー、脂質、食塩相当量は次の通りです。
・和風ドレッシング 分離液状タイプ(大さじ1)
エネルギー 27kcal 脂質 2.2g 食塩相当量 0.5g
・和風ドレッシング ノンオイルタイプ(大さじ1)
エネルギー 12kcal 脂質 0g 食塩相当量1.1g
通常の分離液状タイプのドレッシングに比べると、ノンオイルタイプはエネルギーと脂質はたしかに少ないのですが、その分食塩相当量が多くなっています。